イヤーマフ

イヤーマフの場合は、必然的に選択肢が絞られてくる。
どうせ買うのならNRR30のものを選ぼう。
お金をケチって安価なもので妥協しても、結局は防音性能に満足がいかず、後になってからNRR30のものが欲しくなるに決まっているのだから。
私の知るかぎり、日本で販売されているNRR30のイヤーマフは次の2製品だけである。
その後、防音性能NRR31dB(SNR37dB)を誇る Peltor X5A が発売された。
これで選択の余地がなくなった。迷わずX5Aを入手しよう。(←結論)

NRR(Noise Reduction Rating): EPA(米国環境保護庁)が査定した遮音性を表す数値。
SNR(Single Number Rating): NRRの欧州バージョン。ISO4895-2の査定による。

イヤーマフをどこで買うか?

ところで、Peltor H540Aを買う人のほどんとが、ANZEN未来研究所で買っているのではないだろうか? 楽天の防音保護具売れ筋ランキングを見ても、そのことは容易に想像がつく。
しかし、実はANZEN未来研究所よりはるかに安く買えるところがあるのだ。

あまり知られていないのだがRS(アールエス)コンポーネンツという会社である。

RS(アールエス)コンポーネンツ

この会社は基本的には法人向けの会社なので、敷居が高く感じるかもしれないが、そんな心配はいらない。 個人の客に対しても非常に丁寧な対応をしてくれる、とても感じのいい会社である。

ただ惜しいことに、国内在庫品にPeltorのH510AとH520Aは置いてあるのだが、H540Aは置いていないのだ。 でも問題ない。 問い合わせ→見積依頼→FAX注文すれば、RSイギリス本社から取寄せてくれる。 取り寄せといっても、別に手数料などが上乗せされるわけではないので、そのままの値段で安く買える。
私の場合、商品3,344円+配送量800円+消費税207円=4,351円で買えた。

現在は国内在庫あり。配送料も450円まで下がった。
商品価格も為替によって大きく変動するようだ。いったんは2,290円(税抜)まで下がった。
2015年7月、4,041円(税抜)
2015年9月確認、3,637円(税抜)
2017年2月確認、3,092円(税抜)
2017年12月確認、3,273円(税抜)

Amazonと比較して安いほうで買うのがいいと思う。

ひとつ気になったことは、RSイギリス本社のサイトでoptime IIIのSNRが28dbと記載されていることだ。 optimeIIIの遮音性能はNRR30db、SNRでいえば35dbのはずなのでおかしいと思い、そのサイトでoptimeIとoptimeIIのSNRも確認してみると、これらもデタラメな数値が記載されていたので、おそらく表記ミスだと思う。

ちなみに、
optime III = H540A
optimeII = H520A
optimeI = H510A

Peltor H540Aの性能は?

さて、リーズナブルな値段で購入したPeltor H540Aだが、なかなか使い勝手がいい。 NRR30ということだが、耳栓でいえばMax Liteと同程度。まあそんなもんだと思う。

イヤーマフの最大の利点は、突発的な騒音に対しても瞬時に対応できるということだ。

例えば、私の悩みの騒音源は近所の犬の無駄吠えである。 犬が吠え始めてから、急いで耳栓を丸めて耳の中に入れるのだが、どうしてもある程度の時間がかかってしまう。

それに、ただ耳の中に入れればいいという話でもない。
耳栓の遮音性能を最大限に引き出し、かつ極力痛くならないようなベストな位置にうまくフィットさせなければならない。

そのためには、上手に丸め、上手に挿入する必要があるのだ。
そう、耳栓はある程度の経験と技量を要するのだ。
だからどうしても時間がかかってしまう。

そうして、悪戦苦闘しながら耳栓を丸めている間も、耳から騒音が浸入することになる。
たとえ数秒間といえども、それが結構我慢ならなかったりする。
騒音以上に、その騒音を出す人間の非常識さ、無神経さに一時でも耳を汚されたくないという心境がそこにはある。

また、苦労して耳栓を入れたとたんに無駄吠えがピタリとおさまったり、吠え終わったなと思って耳栓をはずしたとたんに「ワン!」と一声吠えられたりすると無性に腹が立つ。
「わざとやってるんじゃないのか?」と疑いたくもなる。

イヤーマフがあれば、この問題からある程度開放される。 イヤーマフだと、西部劇のガンマンのように0.5秒の早業で装着が完了するし、取り外す際もサッと取り外せばすむ。
耳栓をつけるにしても、耳栓を丸めている間、イヤーマフで時間稼ぎをすることだって可能となる。

だが、イヤーマフにも欠点はある。
それは両サイドから万力のように、頭というか顔を締め付けられることだ。 イヤーマフの不快感は、耳栓の不快感とはまた種類が異なる。

顔全体がひきつるような感覚を受けるので、特に頭脳労働をする場合には不向きなのだと思う。
また、冬ならまだしも、夏場はとにかく暑い。
顔だけサウナ状態になるのだ。

なかには、寝るときにイヤーマフを着用する猛者もいるようだが、私にはとても真似ができない。 私の場合、イヤーマフの連続着用は長くても5分か10分ぐらいで勘弁願いたい。 その代わり、耳栓とイヤーマフをうまく使い分けている。 騒音が発生したらとりあえずイヤーマフで対応し、長期戦になるようであれば耳栓に切り替えるのだ。

イヤーマフと耳栓の併用は?

耳栓をした上でイヤーマフを併用すると確かに遮音効果は上がる。 しかし、あまり過度な期待はしないほうがいい。 例えば、NRR30の耳栓とNRR30のイヤーマフを併用した場合、遮音性能はトータルでNRR60になるのかといえば、断じてそうはならない。 私の受けた印象では、単体の場合よりも2~3割程度上がったかなという感じだ。

耳栓をつけた上で、イヤーマフを付けたり外したりを繰り返して、感じる音の変化を調べてみた。
サイレンシアやイヤーホリデイの場合だと、耳栓単体のときより遮音効果が上がったのに対して、Camoの場合だと変化がほとんど感じられなかった。 騒音の周波数によっても異なってくるとは思うが、Camoの場合単体でもずば抜けた遮音性能があり、それが防音具で防げる遮音性能のほぼリミットなのかもしれない。

また、違和感の感じ方も、どの耳栓をチョイスするかで変わってくるようだ。 併用した場合、通常は耳栓とイヤーマフ両方の違和感を感じる。 ところが、イヤーホリデイのような小さめの耳栓と併用した場合は、イヤーマフの違和感に圧倒されるのだろうか、耳栓の違和感だけがうまい具合に消失し、イヤーマフの違和感だけが残った。

イヤーマフとイヤホンの併用は?

これができれば非常に便利なのだが、私の場合、イヤホンの足の部分がイヤーマフのパッドにはさまって痛いので無理である。

最強のイヤーマフ Peltor X5A が発売された!

長らくイヤーマフ最強の座に君臨していたH540Aだが、そのH540Aの防音性能を遥かに凌駕するイヤーマフPeltor X5Aが発売された。

H540Aの防音性能がNRR30、SNR35なのに対し、X5Aはなんと驚きのNRR31、SNR37dB!

H540Aとの比較を以下に示す。

実際に使用した感想だが、数値の示すとおりH540Aを明らかに上回る防音性能を感じた。

また、カップの可動域が大きいため、H540Aと比べて圧迫感が少なく長時間使用にも耐えうる。

重量431gという唯一の欠点を考慮しても、最強の防音性能を誇る X5A を選ばない手はない。

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